2009年に放映された映画「劒岳 点の記」、7日の21時からテレビでやっていたので見る事とした。明治時代陸軍陸地測量部が日本地図の空白地帯だったこの劒岳一帯に三角点を設け、地図を完成させるのが目的である。そのためには当時未踏峰とされていた劒岳に登頂するのが至上命題となった。又、陸軍の威信にかけ、ライバルの日本山岳会より先に登頂する事も求められた。
地元の人の協力を受け、劒岳へのアプローチの調査から始まった。一旦冬になる前に下山し、春になって活動を再開した。その過程で周辺の山の三角点設置や測量といった作業も行っていった。雪崩(迫力あるシーン)や嵐といった困難に遭いながらも任務を全うしようと動き続けた。山岳会のパーティーも平行して動いていく。そしてようやく劒岳に登頂した時には驚くべき事実も発覚した。
同名の小説は大学時代に読んだ事があり、大体の内容は把握していた。立山など周囲のいくつかの山々も登場し、麓の集落など実在の地名もいくつか登場する。又、道中登場する一部の温泉など現在はないものも含まれる。後でネット検索や地図などで調べてみると更に興味深くなる。
私自身劒岳には2008年に登りましたが、カニノタテバイの難所は急な岩壁であり、一歩落ちたらアウトという厳しさを感じ取ったものである。当時縦走の途中であり、ザックをテントサイトに置いて軽装でアタックしましたが、縦走装備でしたら更に大変だっただろう。大学時代一時期縦走で劒岳を通過する計画もあった事があったが、計画変更で幻となった。当時山小屋の中にもこの映画のポスターが貼ってあったのを覚えている。
劒岳頂上に至るにはいわゆる一般登山道でもカニノタテバイやカニノハサミといった岩場の難所が必ずあり、それ以外のバリエーションルートでは更に難度が増していく。そう簡単に近付ける山ではない事は確かであり、百名山を目指す者としても岩場に慣れていなかったり高所恐怖症ですときついものがあるだろう。